シルクのことをコラムに書きたいな、とふと思ったのですが、それはもしかすると大河ドラマの影響を受けているのかもしれません。
2021年の大河ドラマ「青天を衝け」は、日本の近代経済発展に貢献した渋沢栄一の生涯を描いたものです。深谷で養蚕業を営む家を舞台に、蚕を大切に扱い、まゆをとって絹糸を取り、藍ぞめをした織物を作っている様子を見ることができます。蚕が踊りだすような場面もありました。これは虫がキライな方には、なかなかショッキングな映像でした。私は、このドラマのセットで、当時の養蚕業を忠実に再現しているのが本当にすごいなと思いました。
蚕の成長を簡単に説明すると、蚕は桑の葉を食べて成長します。そしてさなぎになってそのあとは蛾になります。
さなぎになる前に身を守るために自分の身体の周りに糸を吐いてまゆの玉をつくり、その中でさなぎになります。そのまま成長すると脱皮して蛾になりますが、蛾になると、せっかくのまゆの玉を壊して出ていくことになります。まゆの玉を壊されてしまうと、きれいな絹の糸を取り出すことができないので、蛾になる直前に、熱湯にいれたりして蚕を殺して、まゆから絹を取り出します。
以前なら私も蚕の動く映像なんか、気味が悪いとみることもできなかったのですが、今回のドラマのセットは、実際に広大な土地に桑の葉を栽培して、リアルに養蚕業を再現している、と聞いていたので、その点にちょっと興味が沸いて楽しく蚕が踊る映像を見ることができました。
アパレルに関係している、洋服の好きだという方なら、絹がどうやって作られるのか、は興味深いのではないかと思います。勉強になりますので、ぜひ素材の勉強の資料として貴重ですから見てみてください。